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インバネス(谷崎・温・啓助)



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                                                                                                             W.W.W.展 資料展示の様子


 先日のW.W.W.展オープニングは、入りきれないほどの人で賑わった。


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                        若き日の啓助氏

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                         渡辺温氏

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                  出合った頃の面影を残す濟氏の写真


 来場の客は、基本的には文学畑の人だが、
一般の方のほかにも、画家、写真家、音楽家など、
時代、ジャンルを超えて三人の人間に興味を持たれている方たちも多かった。
不思議な展覧会である。
画廊のオーナーの渡辺東さんが、この三人の長兄・啓助氏の娘であるからとは言え、
なかなか出来ぬ企画だと思う。
そこで見るものは、資料として何枚かの「絵画」も展示されてはいるが、
おそらく、彼ら三人の「精神の形」なのだろう。

          
写真


 とても嬉しいのだけれど、実は、ちょっと緊張することが。
啓助氏が主宰していた「鴉の会」に途中から参加し、
お手伝いをさせて戴いたのが、この画廊と私との縁なのだが、
会場に展示してある「温」さんが着ていたというインバネスを、
渡辺家の方たちが私に下さるという。
温さんが亡くなったあと、啓助氏が、大事に保管しておいたものである。
ただし、飾っておくのではなく、着て欲しいと言う。
考えに、考え、頂戴することにした。
これは単に、物としてのインバネスではなく、
谷崎、渡辺温、渡辺啓助と、受け渡されて来た「精神の形」を戴くことになる。
本当に着こなせるだろうか。
今年の冬が、少し、怖い。
どの街が、このインバネスに似合うのだろう。やはり、銀座なのかな……。


渡辺温氏に関連する断片も、少し載せておきます。

■「短編礼賛」解説/大川渉著より抜粋
昭和5年(1030)兵庫県西宮市郊外の阪急線踏切で、
谷崎潤一郎氏から、遅延していた原稿を受け取った帰り、
深夜まで神戸で遊んだ渡辺温と長谷川修二の乗りこんだタクシーが貨物列車と衝突した。
後部座席に乗っていた渡辺温(当時、「新青年」編集者)は、近くの病院に運ばれたが、
脳蓋底骨折で死亡した。27歳だった。
谷崎氏は、渡辺温が文壇に登場するきっかけを与えた人物でもある。

■久世光彦氏評『美の死』所収「空の花籠」より
「夕方になると、夕風の吹いている街路へ、姉は唇と頬とを真っ赤に染めて、
草花の空籠を風呂敷に包んで、病み衰えた体を引きずって出かけた」
(渡辺温「可哀相な姉」より)

「もし、あらゆる小説の中から、一番美しい文章を一つ選べと言われたら、
私はほとんどためらいなく、このフレーズを挙げるだろう」

W.W.W.展は、31日まで、開催しています。
動画でのご案内です。会場の地図は、前の日記W.W.W.展の中にあります。

写真

http://jp.youtube.com/watch?v=l_r_arrYjTU


★2008年 mixi 日記より
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