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スペインの「歌」(谷めぐみリサイタル)

  • Posted by: 和泉 昇
  • 2008-10-04 Sat 02:36:00
  • 音楽


知人がリサイタルのチケットを送ってくれた。
「もしも、お忙しければ、どなたかに」という、大変に丁寧なお手紙と共に。

まだ、11月7日(金)の中目黒「楽屋」での
「 AYAKA & IZUMI 」ライブのフライヤー準備とか、
日経版『源氏物語』の付録の校正とか、部屋の荷物の片付けとか、
やらねばならぬことは沢山残っているのだが、やはり聴きに行こうと思う。

前回も、やはり同じ知人がチケットを送って下さり、
仕事場が近かったこともあり、御茶ノ水のカザルスホールへ出かけて、びっくりした。
まったく知らなかった「谷めぐみ」さんという方の、しかもスペイン歌曲。

地味なのに、心の奥に響く声。
腰の据わった、まっとうな「歌」があった。

ラローチャの演奏を聴いた時と同じ、
スペインの深いところから「音楽」が響いてくる。
その場所で生きている「人間」の「声」が聴こえるような気がして、
不覚にも、涙ぐみそうになった。


               ワイングラス



朝、早くに目覚め、休日をどう過ごそうかなぁと思っていらっしゃる方は是非。
フライヤーなどは、どこか素人っぽく、手作りの感じがするし、
決して垢抜けてはいないのだが「歌」は間違いなく、いいと思う。
私は、どこの回し者でもありませんから(笑)。
もしもお出かけになる方がいらっしゃるなら、メッセージでも下さいませ。
会場でお目に掛かれるかもしれません。


               ワイングラス



tani.jpg 


2008年10月4日(土)  開演14:00 開場13:30
当日券 5.000円  全席自由席
会場 Hakuzyu Hall (白寿ホール)
渋谷区富ヶ谷1-37-5 (株)白寿生科学研究所本社ビル
http://www.hakujuhall.jp/top/index3.html
千代田線代々木公園駅1番出口または
小田急線代々木八幡駅南口から徒歩5分
[主 催]クレアート
[後 援]スペイン大使館


               ワイングラス


もっと、沢山の方に聴いて欲しいなぁと思っていたら、
10月1日の毎日新聞に掲載されたようだった。


谷めぐみ:スペイン歌曲を歌い続けるソプラノ歌手 4日に東京でリサイタル

◇懐かしいオリエンタルな要素が魅力
スペイン歌曲を専門に歌い続ける、日本では数少ないソプラノ歌手、谷めぐみの第18回リサイタル「スペイン わが心の歌」が4日、東京・富ケ谷の「HAKUJU HALL」で行われる。
スペイン音楽というと、日本ではフラメンコの音楽、作曲家アルベニスやグラナドスらのピアノ曲、一世を風靡(ふうび)したフリオ・イグレシアスのポピュラーなどが知られる程度。クラシック歌曲を知る人は少ない。
高校で合唱の魅力に目覚め、大学でドイツリートを学んだ谷も、実はスペイン歌曲を全く知らなかった。大学卒業の2年後、知人のギタリストのサロンコンサートに招かれ、「プログラムの合間の埋め草」程度にスペイン歌曲を歌わされたとき、「私の求めていたものはこれだ」と運命的出合いを感じた。
84年、バルセロナ市立高等音楽院に留学。85年に帰国して東京で第1回リサイタルを開いて以来、スペイン歌曲を専門に発表会を重ねてきた。
「スペイン歌曲の魅力は、他のヨーロッパの国々の曲とは異なり、どこか懐かしいオリエンタルの要素が入っている点。恋の歌が最も多く、アンダルシアやカタルーニャなど地域性が豊かに出ていて叙情性がある。今日は幸福でも明日は絶望に陥るといった峻厳(しゅんげん)な運命をも潔く受け入れ、凜々(りり)しく生きていく姿勢が感じられ、歌っていてウソがないところが好きです」
今回のリサイタルでは、バルセロナ時代の恩師、M・ガルシア・モランテの曲や、モンポウ、グラナドス、ニンらの歌曲などを歌う。また、ユダヤ人の民謡をもとに作られた15世紀の「セファルディーの歌」を初めて披露する。【網谷隆司郎】
(毎日新聞 2008年10月1日 東京夕刊)


谷めぐみ
北海道出身。京都市立芸術大学音楽学部声楽専攻卒業。
在学中、佐々木成子、鳥井晴子の各氏に、卒業後、江口元子氏に師事。ふとしたきっかけで出会ったスペイン歌曲に強く魅かれ、渡西。バルセロナ市立高等音楽院にてマヌエル・ガルシア・モランテ氏に師事し、スペイン歌曲、スペイン各地の民謡、サルスエラのアリアなど幅広いレパートリーを持つ故F.モンポウ、故E.グラナドスの実娘らからその演奏を高く評価された。留学中バルセロナにてリサイタル開催。ガルシア・モランテ氏編曲による『日本民謡集』出版にあたり、歌詞西訳、監修、解説を担当。
CASA de la CIUTAT内「百人議会の間」で開かれたバルセロナ市主催出版記念演奏会にて演奏。1986年日本で初めて行われた世界的名ソプラノ歌手ヴィクトリア・デ・ロス・アンヘレスによるマスタークラスを受講、通訳を務める。
バルセロナ市の夏の音楽祭「グレック」に招聘を受け、同市にて再度リサイタル開催。
NHK・FM放送出演。スペイン、南米の歌のスペシャリストとして、独自の世界を創り上げている。リサイタル・ライブCD『スペインの熱情と哀感の果て』『スペインわが心の歌』制作。


■この日記周辺の「言葉の断片」(和泉)

スペインの土地の「香り」がするようでした。 
シンプルな中に「根源的」なものがあり、
 「声」と言葉の「意味」が、心の奥に響いて来ます。 
フラメンコの「カンテ」よりは、
ずっと抑制されているのですが、素敵でした。

シンプルで根源的。 土の香りがしました。
15世紀頃スペインを追われ、
各地に離散したユダヤ人を「セファルディー」といい、
彼らが歌い継いできた伝承歌を基にした作品は、
今回が初披露とのことでしたが「心」に響きました。



クラシックと言われるものからは、
はみ出した部分。
そこに「詩」が感じられました。
何故か、そういうものに魅かれます。

ひとりの人間の根源的な部分。
単純で明快、普遍的なもの。
そこに沁み込んで来ます。
リサイタル自体も手作りの感じがあって、
「人間」が感じられる。
これも今の日本に失われつつあるもの。
そんな気もしました。

いわゆるメジャーという感じではなく、
一部の人たちによって見出されているようです。
したがって、動画は手に入りません。
いずれ関係者の方たちによって制作されるかもしれませんが。
前回のカザルスホールでの公演はCDに制作されたようです。
有名、無名、メジャー、マイナーに関わらず、
自分の好みで聴いたり見たりすること。
その大切さを、改めて感じさせられます。

小さな公演などと言う物は、
いつだって持ち出し。
好きじゃなきゃ出来ない世界ですね。

せめて大工さんや八百屋さんと同じように、
「音楽」を「仕事」にする人たちにも、
きちんとした「報酬」が
入るようになってほしいものです。

「経済」ばかりに気を取られていると、
今の日本のように、いずれ破滅します。

言葉から受けるイメージは、ひとそれぞれに違いますね。
それまでの経験や知識などで作られるものなのでしょう。

今回の「歌」を聴きながら、私は、
フランコの独裁政治によって弾圧され続けたカタルーニャ語や、
ミロについて世界で初めて単行本をまとめた、
詩人の瀧口修造さんのことなどを考えていました。

でも、
私は出来るだけ「感覚」から入るようにしています。
自分だけのことかも知れませんが、
私の場合は、その方がこれまで裏切られなかった。
知識や情報は操作もされるし、捏造も出来る。
でも「感性」は、なかなかだませない。
そう信じたいと思っています。

もちろん、
知識によって「感性」が広がることもありますが。

散歩は、いい。
「権威」や「名声」などとは無縁に、
自分の眼と感性で、風景と話が出来る。





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