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スペイン歌曲の「歌詞」

  • Posted by: 和泉 昇
  • 2008-10-11 Sat 12:51:00
  • 音楽

毎日いろいろあって、なかなか「日記」が書けなかった。
前回の「日記」で紹介した 谷めぐみさん の歌の「歌詞」を載せておく。
スペインではないが、友人がもぎ取って来てくれた(あ、やばいのかな)
ブルターニュの素朴な林檎を齧りながら。

19146984_1671437812.jpg



素朴で具体的な「言葉」が、想像力を喚起してくれる。


          ワイングラス


■歌詞の大意(訳・谷めぐみ)

★セファルデーの歌
15世紀頃スペインを迫われ、バルカン半島、中東、北アフリカ、ヨーロッパ各地へ離散したユダヤ人を「セファルディー」という。彼らが歌い継いできた伝承歌を基にした作品。

●囚人船がいま着いた
囚人船がいま着いた/囚われの女たちを乗せて/彼女らの中には/ああ、肌の白い娘もいる

●空気に恋をした
空気に恋をした/美しい女の気配に心奪われた/恋したのは夜/月の光に騙された/もしも今度恋をするなら/太陽の輝く昼がいい

●母さん、わたしは去りゆきたい
母さん、わたしは去りゆきたい/この世を去りゆきたい/母さん、わたしはもう逝くの

●美しい小鳥
小さな家に可愛い娘/娘はお年頃/僕は恋を打ち明けた

●おいで、愛しい人
おいで、愛しい人/おいで、海辺に/おいで、お前に語ろう/わたしの昔の過ちを/お前を泣かせてしまうけれど

●開けておくれ、べっぴんさん
開けておくれ、べっぴんさん/もう夜が明ける/ひと晩中眠れなかった/ただ貴女が恋しくて
●バラが花開く
五月 バラが花闘く/心は憂いに沈む/愛の苦しみゆえに/ナイチンゲールが歌う/愛の吐息とともに/熱き想いにわたしは息絶える

●おやすみ、おやすみ
おやすみ、おやすみ 可愛い坊や/おやすみ、おやすみ おめめを閉じて/お前もいつか学校へ行くんだね/法律を習うんだね

●さよなら、恋人よ
母親がお前を生んだ時/そんな移り気な心はくれなかったはず/さよなら、恋人よ/こんな苦々しい人生はもうたくさんだ/ほかの男を探すがいい/よその扉を叩くがいい/それは僕にとって死を意味するけれど/さよなら、恋人よ/こんな苦々しい人生はもうたくさんだ

★R.ジェラルド

●インデイオの娘
耳に新しいメロディー/歌うのはインディオの娘「この甘い旋律、殿方の心をお誘いします♪タイライラ♪」/インディオの青年は娘にささやいた「可愛い人、僕のために歌い、踊っておくれ♪タイライラ♪」

●雄牛
雄牛が放たれた/闘牛士は祈る「雄牛に死を」/観客席は超満員/でも、恋しいあの人はいない/どんな闘牛士より強いあの人はいない

●死と乙女
「なんて美しい夜。空にはたくさんの星。母さん、窓を開けて」
「だめ、だめ。お前は病気だ。夜風は体に悪い」
「ほら母さん、戸口で犬が啼いている。朝が来たら、あたしは死ぬの。お願い、窓を開けて」

●留守
「あたしの恋人バルドメロ、フランスヘ出かけてもう一ヶ月。ひとりで留守番寂しいわ。あのポンポン船で追いかけて行こうかしら」
(見ろ! 見ろ! 留守番中のバルトーラ! なんて芝居が上手いんだ!)
夜更け バルドメロは手紙を書いた/可愛いバルトーラに想いをこめて/ところがその頃バルトーラ/ちゃっかりペドロの腕の中/アララ! もうひとりぼっちじゃありません
(見ろ! 見ろ! 留守番中のバルトーラ! なんて芝居が上手いんだ!)

★F.モンポウ

●牧歌
夕暮れと夜がひとつに結ばれる道/僕は君に会いに行く/深い愛を秘めて/山々の光のように/海のなぎ風のように/花の香りのように

●雪
雪ではない/それは天空の花/私の心も散り落ちる/まるでお前のように/引き裂かれた命/空を舞うひとひらの白い紙片/なんという寂しさだろう

★E.グラナドス

●予言の鳥
予言の鳥よ 歌っておくれ/柔らかな夜風/秘めた私の恋/お前の歌は命/歌え 黄金の声で/歌え 甘美なる調べ/優しい鳥よ/お前は偉大な詩人/新しい愛を私に教えてくれた/夜ごとよみがえる暗い哀しみ/この胸深く放っておくれ/やるせない夢を

★M.ガルシア・モランテ

●恋人が言いました
愛の証し/愛の証し/愛の証しにキスしてくれたらバラの花をあげる/それともやっぱりキスがいい? オレンジ? アーモンド? なでしこの若木? サクラの花? ジャスミンの花? 二人を照らすホタルの灯り?/あたしのすべてをあげる/あなたもすべてをくれる/何も惜しいものはない

●悲しいものは何もない
悲しいものは何もない/寂しさにふるえることもない/夜の闇に怯えることもない/陽が昇り 朝露が光り/ふたりの幸福な瞬間を映し出す/すべてが豊かに満ちるとき/ワインの香りのように/バラ色の頬のように/海の波はいつも微笑む/冬も春 夏も春/木々の葉が永遠の緑に輝く/時は過ぎることがない/死に至ることもない/もう涙することもない/微笑みがオレンジの房のように弾ける/悲しいものは何もない/今日 昨日 明日/ささやかな出来事を歌に出来るから/美しく散りゆく一輪のバラ/若き乙女の胸に悦びの花が開く

★J.ニン

●グラナディーナ
愛の悩みはなにより辛い/歌いながら泣くあたし/涙なんか流せない/その短刀をあたしにちょうだい/そして、刺せ、と言って/この真っ赤な血を見れば/あなたは分かる/どんなにあたしが愛しているか

●パーニョ・ムルシアーノ
教えて、銀細工師さん/彼のキスを繋ぎとめるにはどれだけの銀が要るかしら?/とびきりの熱いキス/あたしは彼の忠実な恋人なの/このキスを繋ぎとめなきゃ/銀細工師さん、あなたなら方法をご存知ね?

★F.J.オブラドルス

●ラ・ミ・ソラ、ラウレオーラ
ただひとりお慕いするラウレオーラ様/私レリアーノは貴女の囚われ人/しかし心は誇らしい/ほかならぬ貴女様の御手で傷つけられたのだから/ただひとりお慕いするラウレオーラ様よ

●心よ、お前はなぜ?
心よ、お前はなぜ?/愛の夜を眠らずに過ごすのか?/お前のご主人様は別の人の腕の中でまどろんでいるのに……。

●いちばん細い髪の毛で
お前が編みこんでいる髪/そのいちばん細くしなやかな一本で鎖を作ろう/お前をそばにつなぎとめておけるように/僕はお前の家の水がめになりたい/水を飲みに来るお前にキスできるように

●エル・ビート
年増女は1レアル/若い女はその半分の味しかしないと言うけれど/ご覧の通りの貧乏暮らし/オレには安いほうがいい/「ほら、いっしょに踊ろうぜ」「そんなことしちゃイヤよ、赤くなっちゃうわ」


■この日記周辺の「言葉の断片」(和泉)

お前もいつか学校へ行くんだね/法律を習うんだね
「法律」っていう具体的な言葉が、実に面白いですね。

「雪」の寂しさと、
「恋人が言いました」の情熱は、
一対のものなのかも知れません。
「寂しさ」を感じる感性が「恋」を招く。

あ、「恋」は語るものではなく、陥るものでした。

「ただただ明るく楽しいだけの恋」
そんなの、あるのかなぁ。
「恋」じゃないですね、それは。

昔、フランスのシャンソン歌手が、
ステージの前で熱狂する若い女のファン達に、

「お嬢さん。
恋なんてするものじゃありません。

恋は、
歌うものです」

と、言ったとか、言わないとか。

「うわぁ、気障」と思ったけれど、
結構あたっているのかも知れない。

「恋」は命懸けのものなのかも。

「いちばん細い髪の毛で」
繊細で、素敵ですよね。
「水がめ」の比喩もいいなぁ。

男の「繊細さ」って好きですね。
また反対に、
女性の「男っぽい」ところなんかも。


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