Home > 2009年07月
2009年07月 Archive
Palma Habanera 7.17 六本木アルフィー(SAYAKA)
- 2009-07-19 Sun 15:23:00
- 未分類
7月16日の「木下綾香 Birthday 24 Live」が無事終り、ひと休みする間もなく、
次の夜は、昨年の中目黒「楽屋(らくや)」の企画で、飛び入り出演してもらった、
ラテン・ジャズ・ヴァイオリニスト SAYAKA の六本木アルフィーでのライヴへ。

SAYAKA とは、若いメンバーと結成していた CHAKALA の頃からの付き合いだが、
このたび7月22日に、ジャズの新レーベル「Blue in Green」から、
新しい CD が出ることになった。発売元は、ユニバーサル。
アルバム・タイトルは、「Palma Habanera」。
彼女のキューバでの活躍や、世界的キーボード奏者 YANNI のワールドツアーへの参加などのことは、以前にも書いて来たが、リーダー・アルバムとしては、日本でのメジャーデビューとなる大切なアルバムだ。
メンバーは、
SAYAKA(香月さやか)violin、
大口純一郎 piano、柴田亮太郎 guitar、
小泉哲夫 base、大儀見元 percussion。
ゲストとして、井上信平 flute、ルイス・バジェ trumpet が参加。
曲目は、
Aranjuez(アランフェス協奏曲)
Spain(スペイン)
Elpito(エル・ピート)
Agua Para Plana(アグア・パラ・プラーナ)
Bananeira(バナネイラ)
Habanera(アバネーラ)
Danza Ritual del Fuego(火祭りの踊り)
Oblibión(オブリビオン)
All Blues(オール・ブルース)
録音も最先端のDSD(Direct Stream Digital)という最新技術の録音方式を採用。
http:// www.vil lage-re cords.c om/88/f aq/inde x.html
とにかく素晴しい「音」になっているという。

ジャケットの写真も、ついこの間、映画出演した「ゼラチンシルバーLove」の監督で、
写真家の操上和美氏が撮影。美しい仕上がりである。


雑誌などにも、大変好意的な批評が、出始めている。

このところ毎月のように Palma Habanera のライヴを聴いているのだが、
とにかく毎回毎回、その場でしか味わうことの出来ない演奏で、進化が止まらない。
CD の録音を済ませたあとでも、それは変わらない。
これがライヴの醍醐味なのだと思う。

今回は、CHAKALA のメンバーだったフルートの松原由紀子も久しぶりに参加。
彼女が出産を終えて復帰してから、このメンバーと一緒の演奏を聴くのは、私は初めてだったが、これまた即興の演奏が素晴しかった。メンバー全員が、お互いに高め合いながら、生き生きと楽しんで演奏しているのが、しっかりと聴く側にも伝わって来るのだ。


結局、最後はいつものように、総立ちで踊ることになるほど、
「音楽」が、どんどんと身体に沁み込んでくるのだった。

ライヴ終了後、オーナーの容子さんが新しく仕入れたという、フランス・リムー地方の飲みやすくて美味しいスパークリングワインを戴いた。これは、シャンパーニュ地方のドンペリニョンよりも早く、1531年に作っていたという珍しいものだった。ボトルのデザインの「1」は、1番に作りましたよということらしい(笑)。

結局その後も、SAYAKA や、容子さんたちと、西麻布のワイン・バーへ。
ここでは、ゴルフのグレッグ・ノーマンがオーストラリアで作っているという、
その名も「グレッグ・ノーマン」(カベルネ メルロー)というワインを。
手ごろな値段で、芯もあり、腰のしっかりとした味だった(笑)。

話は飛ぶが、昨日の時点での全英オープンで、今年60歳になるトム・ワトソンがトップをキープしていた。そのこと自体も凄いことだが、グリーンに向かって、リズミカルに歩く彼の姿は、ゴルフを心から楽しんでいるようで、とても印象的だった。

あ、「音楽」に戻らなくては(笑)。
当日の録音はないのだが、お楽しみは、22日発売の CD で。
ただ、綾香のリハーサルと、企画ライヴの準備などで、私は行けなかったのだが、
14日に横浜ドルフィーで行われた「大口純一郎パーカッシブ・トリオ」の映像を、
SAYAKA のツアーにも同行した、macomoco さんが、
You Tube にアップしてくれたので、載せて置こう。
ピアノの大口さんや、パーカッションの大儀見さんの雰囲気は伝わるかもしれない。
ここに SAYAKA たちが入ると、どうなるか、是非、ご想像下さいませ。

■大口純一郎パーカッシブ・トリオ@横浜ドルフィー 2009年7月14日
piano - 大口 純一郎、 base - 坂井 紅介、 percussion - 大儀見 元
まずは、percussion 大儀見さんのリズム感覚の素晴しさを。
http:// www.you tube.co m/watch ?v=VQ4M c_hjqGY
次に、Palma Habanera の CD にも入っている「All Blues」を。
ただし、All Blues 1/3 は、紅介さんのソロに聞き惚れているうちに、
取り損ねてしまったので、何卒お許しを、とのことである。
All Blues 2/3
http:// www.you tube.co m/watch ?v=rfP1 PBax_-Y
All Blues 3/3
http:// www.you tube.co m/watch ?v=FICK 1VEbrPw

■SAYAKA に関連するこれまでの「日記」
http:// mixi.jp /view_d iary.pl ?id=933 731000& owner_i d=17787 681
http:// mixi.jp /view_d iary.pl ?id=940 959834& owner_i d=17787 681
http:// mixi.jp /view_d iary.pl ?id=941 810163& owner_i d=17787 681
http:// mixi.jp /view_d iary.pl ?id=944 824407& owner_i d=17787 681
http:// mixi.jp /view_d iary.pl ?id=969 623158& owner_i d=17787 681
http:// mixi.jp /view_d iary.pl ?id=996 901390& owner_i d=17787 681
http:// mixi.jp /view_d iary.pl ?id=101 8775395 &owner_ id=1778 7681
http:// mixi.jp /view_d iary.pl ?id=102 4334563 &owner_ id=1778 7681
http:// mixi.jp /view_d iary.pl ?id=104 4055559 &owner_ id=1778 7681
http:// mixi.jp /view_d iary.pl ?id=106 8462557 &owner_ id=1778 7681
http:// mixi.jp /view_d iary.pl ?id=107 1174679 &owner_ id=1778 7681
http:// mixi.jp /view_d iary.pl ?id=107 1260592 &owner_ id=1778 7681
http:// mixi.jp /view_d iary.pl ?id=107 3025350 &owner_ id=1778 7681
http:// mixi.jp /view_d iary.pl ?id=107 7724132 &owner_ id=1778 7681
http:// mixi.jp /view_d iary.pl ?id=107 7748414 &owner_ id=1778 7681
http:// mixi.jp /view_d iary.pl ?id=107 8709896 &owner_ id=1778 7681
http:// mixi.jp /view_d iary.pl ?id=108 1617801 &owner_ id=1778 7681
http:// mixi.jp /view_d iary.pl ?id=108 5631685 &owner_ id=1778 7681
http:// mixi.jp /view_d iary.pl ?id=109 8949860 &owner_ id=1778 7681
http:// mixi.jp /view_d iary.pl ?id=115 1733759 &owner_ id=1778 7681
次の夜は、昨年の中目黒「楽屋(らくや)」の企画で、飛び入り出演してもらった、
ラテン・ジャズ・ヴァイオリニスト SAYAKA の六本木アルフィーでのライヴへ。

SAYAKA とは、若いメンバーと結成していた CHAKALA の頃からの付き合いだが、
このたび7月22日に、ジャズの新レーベル「Blue in Green」から、
新しい CD が出ることになった。発売元は、ユニバーサル。
アルバム・タイトルは、「Palma Habanera」。
彼女のキューバでの活躍や、世界的キーボード奏者 YANNI のワールドツアーへの参加などのことは、以前にも書いて来たが、リーダー・アルバムとしては、日本でのメジャーデビューとなる大切なアルバムだ。
メンバーは、
SAYAKA(香月さやか)violin、
大口純一郎 piano、柴田亮太郎 guitar、
小泉哲夫 base、大儀見元 percussion。
ゲストとして、井上信平 flute、ルイス・バジェ trumpet が参加。
曲目は、
Aranjuez(アランフェス協奏曲)
Spain(スペイン)
Elpito(エル・ピート)
Agua Para Plana(アグア・パラ・プラーナ)
Bananeira(バナネイラ)
Habanera(アバネーラ)
Danza Ritual del Fuego(火祭りの踊り)
Oblibión(オブリビオン)
All Blues(オール・ブルース)
録音も最先端のDSD(Direct Stream Digital)という最新技術の録音方式を採用。
http://
とにかく素晴しい「音」になっているという。

ジャケットの写真も、ついこの間、映画出演した「ゼラチンシルバーLove」の監督で、
写真家の操上和美氏が撮影。美しい仕上がりである。


雑誌などにも、大変好意的な批評が、出始めている。

このところ毎月のように Palma Habanera のライヴを聴いているのだが、
とにかく毎回毎回、その場でしか味わうことの出来ない演奏で、進化が止まらない。
CD の録音を済ませたあとでも、それは変わらない。
これがライヴの醍醐味なのだと思う。

今回は、CHAKALA のメンバーだったフルートの松原由紀子も久しぶりに参加。
彼女が出産を終えて復帰してから、このメンバーと一緒の演奏を聴くのは、私は初めてだったが、これまた即興の演奏が素晴しかった。メンバー全員が、お互いに高め合いながら、生き生きと楽しんで演奏しているのが、しっかりと聴く側にも伝わって来るのだ。


結局、最後はいつものように、総立ちで踊ることになるほど、
「音楽」が、どんどんと身体に沁み込んでくるのだった。

ライヴ終了後、オーナーの容子さんが新しく仕入れたという、フランス・リムー地方の飲みやすくて美味しいスパークリングワインを戴いた。これは、シャンパーニュ地方のドンペリニョンよりも早く、1531年に作っていたという珍しいものだった。ボトルのデザインの「1」は、1番に作りましたよということらしい(笑)。

結局その後も、SAYAKA や、容子さんたちと、西麻布のワイン・バーへ。
ここでは、ゴルフのグレッグ・ノーマンがオーストラリアで作っているという、
その名も「グレッグ・ノーマン」(カベルネ メルロー)というワインを。
手ごろな値段で、芯もあり、腰のしっかりとした味だった(笑)。

話は飛ぶが、昨日の時点での全英オープンで、今年60歳になるトム・ワトソンがトップをキープしていた。そのこと自体も凄いことだが、グリーンに向かって、リズミカルに歩く彼の姿は、ゴルフを心から楽しんでいるようで、とても印象的だった。

あ、「音楽」に戻らなくては(笑)。
当日の録音はないのだが、お楽しみは、22日発売の CD で。
ただ、綾香のリハーサルと、企画ライヴの準備などで、私は行けなかったのだが、
14日に横浜ドルフィーで行われた「大口純一郎パーカッシブ・トリオ」の映像を、
SAYAKA のツアーにも同行した、macomoco さんが、
You Tube にアップしてくれたので、載せて置こう。
ピアノの大口さんや、パーカッションの大儀見さんの雰囲気は伝わるかもしれない。
ここに SAYAKA たちが入ると、どうなるか、是非、ご想像下さいませ。

■大口純一郎パーカッシブ・トリオ@横浜ドルフィー 2009年7月14日
piano - 大口 純一郎、 base - 坂井 紅介、 percussion - 大儀見 元
まずは、percussion 大儀見さんのリズム感覚の素晴しさを。
http://
次に、Palma Habanera の CD にも入っている「All Blues」を。
ただし、All Blues 1/3 は、紅介さんのソロに聞き惚れているうちに、
取り損ねてしまったので、何卒お許しを、とのことである。
All Blues 2/3
http://
All Blues 3/3
http://

■SAYAKA に関連するこれまでの「日記」
http://
http://
http://
http://
http://
http://
http://
http://
http://
http://
http://
http://
http://
http://
http://
http://
http://
http://
http://
http://
「ノーブルな時間」(羽根田ユキコ 愛川聡 廣瀬みちる)
- 2009-07-02 Thu 21:37:00
- 未分類
このところ、全く「日記」が書けなかった。
本当に沢山の事があったのだが、最も新しい事から書いておこう。
昨夜も、初めての方のライヴに伺った。

目黒の BLUES ALLEY JAPAN ブルースアレイジャパン
7月1日 水曜日 羽根田ユキコ & Trio the Trip
http:// blog.or icon.co .jp/yuk ikohane da/arch ive/23/ 0

これも、mixi での貴重な「ご縁」だった。
先月の6月3日昼、木下綾香の日比谷パティオでのライヴがあり、
サポートをして戴いたギターの愛川聡さんが、夜には、
銀座せきていラウンジで、ピアニストの廣瀬みちるさんとデュオをするとのことで、
急遽、仲良しのマイミクさんをお誘いして、食事と音楽のお付き合いをして戴いた。






その夜の二人の演奏も、眼の前で打ったばかりの蕎麦などの食事も素晴しく、
充分に楽しんだのだが、ラウンジに、オーナーの羽根田ユキコさんがいらっしゃっていた。
羽根田さんは歌手でもあり、mixi にも参加なされていたので、お顔だけは存じあげていた。
突然に失礼かとも思ったのだが、気が付いた時には、
「羽根田さん、mixi をやっていらっしゃいますよね」と、すでに話しかけてしまっていた。
帰りに CD を購入し、深夜に自宅で聴いた。何かが、私の心の中で動いた。
この方は、生まれも育ちも、素晴しい家系の環境に過ごしながら、
それでもなお、単なる保身に現を抜かす「スノッブ」にはならずに、
芸術に携わる人間に特有の匂いを持っている。そんな「勘」が働いた。
ある種の「自由さ」と、それゆえの「悲しみ」と。



私が初めて聴いた彼女の CD は、発売されたばかりの 『fadista』 だった。
タイトルは「ファドを歌う人」というくらいの意味だろうか。
日本では、あまり馴染みが少ないのだが、
フランスに「シャンソン」があるように、ポルトガルには「ファド」という歌がある。
『過去を持つ愛情』(原題 Les Amants du Tage)というフランス映画の中で「暗い艀(はしけ)」を歌ったアマリアロドリゲスは、ファドの女王としても、世界的に有名である。
その土地の感覚に根付いた歌は、独特の表現を持っている。
日本の「演歌」に通じるものがあるという人もいる。
「魂」を「声」に載せて絞り出すような羽根田さんの「歌」は、
あっという間に、私の心を掴んでしまった。
失礼を省みずの「マイミク申請」にも、気さくに応じて戴き、
この夜のライヴへと繋がることになった。


羽根田さんの「歌」は勿論だったが、
共演の TRIO THE TRIP 佐野聡(Tb/Harp) 渡瀬英彦(Fl) 宮澤等(Vc)、
ゲストの 加藤実(Pf) 石井ユキ(Ob) 梅原光洋(Tenor) の面々は、
クラシックな要素を生かしながらも、枠に嵌らぬ自由な発想と演奏で実に楽しかった。
新国立劇場合唱団契約メンバーという梅原光洋氏の本格的なテノールも、
クラシック臭を感じさせない、気持ちの良い堂々とした「歌」。
また、奇才・佐野聡氏のパンデイロや、両手を組み合わせて吹く「手笛」の実演は、
エンターテインメントとしても、深く、味のある MC の時間だった。
お顔と、お話だけでも、何かが違う。この人も、只者ではないな、きっと。
帰りに、ご利益があるように、握手をして戴いた。何かいいことがあるかな(笑)。

久しぶりに「ノーブル」という「言葉」が、頭に浮かんだ。
多分、この日のライブが「気品」のようなものに包まれていたのだ。
それは「上品」とか「行儀がいい」こととは、ちょっと違っているように思う。
ある種の常軌を逸したものを、たじろがずに受け入れることも含まれている。
たまたま羽根田さんのプロフィールを覗いていたら、
大学では「哲学」を専攻されていたようである。
「哲学」は、まず、当たり前と思われていることを「疑う」ことから始まる。
単なる「人気」や「名声」などには動かされずに、
自分自身の「知性」と「感性」で選び取ったものに囲まれて暮らすこと。

そう言えば、馴染みで通わせて戴いている銀座のお店の名前は「貴族」。
まさに「貴族の精神」を持ち合わせた、数少ないお店だ。
連日の夜遊びで、少々疲れが出て、
このところ少しご無沙汰しているが、また一杯飲りたくなってしまった。

■愛川聡
http:// homepag e2.nift y.com/s piritua l-rebir th/inde x.html
■廣瀬みちる
http:// amsj.bi z/hiros e/hiros eprofil e.htm
■羽根田ユキコさんのプロフィール。
http:// blog.or icon.co .jp/yuk ikohane da/cate gory_7/
http:// www.bbp .co.jp/ yukiko/ link/pr ofile.h tml
http:// talent. yahoo.c o.jp/pf /profil e/pp443 9
■「銀座せきてい」の歴史
http:// www.gin zasekit ei.co.j p/sekit ei_hist ory.htm l
■佐野聡
http:// www.sat oshi-sa no.net/
■ファド アマリアロドリゲス
Amália rodrigues,Live in Romania,Bucarest,"Coimbra",1969.
http:// www.you tube.co m/watch ?v=4V8d CGcPc3I
Barco Negro by Amalia Rodrigues「暗いはしけ」
http:// www.you tube.co m/watch ?v=GdJY zzyO7nc
■参考までに、日本でのファド関連の歌など。
月田秀子「アルファマ」
Alfama / Hideco Tsuquida / Fado
http:// www.you tube.co m/watch ?v=_lgL M3np8G0
月田秀子「私の中のファド」
Trago fados nos Sentidos / Hideco Tsuquida / Fado
http:// www.you tube.co m/watch ?v=nnrI W5urxv4
暗いはしけ 岸洋子
http:// www.you tube.co m/watch ?v=2_7l OggHWlc
ちあきなおみ 始発・・・まで(暗いはしけ)
http:// www.you tube.co m/watch ?v=W5xB 5Q9B5kM
本当に沢山の事があったのだが、最も新しい事から書いておこう。
昨夜も、初めての方のライヴに伺った。

目黒の BLUES ALLEY JAPAN ブルースアレイジャパン
7月1日 水曜日 羽根田ユキコ & Trio the Trip
http://

これも、mixi での貴重な「ご縁」だった。
先月の6月3日昼、木下綾香の日比谷パティオでのライヴがあり、
サポートをして戴いたギターの愛川聡さんが、夜には、
銀座せきていラウンジで、ピアニストの廣瀬みちるさんとデュオをするとのことで、
急遽、仲良しのマイミクさんをお誘いして、食事と音楽のお付き合いをして戴いた。






その夜の二人の演奏も、眼の前で打ったばかりの蕎麦などの食事も素晴しく、
充分に楽しんだのだが、ラウンジに、オーナーの羽根田ユキコさんがいらっしゃっていた。
羽根田さんは歌手でもあり、mixi にも参加なされていたので、お顔だけは存じあげていた。
突然に失礼かとも思ったのだが、気が付いた時には、
「羽根田さん、mixi をやっていらっしゃいますよね」と、すでに話しかけてしまっていた。
帰りに CD を購入し、深夜に自宅で聴いた。何かが、私の心の中で動いた。
この方は、生まれも育ちも、素晴しい家系の環境に過ごしながら、
それでもなお、単なる保身に現を抜かす「スノッブ」にはならずに、
芸術に携わる人間に特有の匂いを持っている。そんな「勘」が働いた。
ある種の「自由さ」と、それゆえの「悲しみ」と。



私が初めて聴いた彼女の CD は、発売されたばかりの 『fadista』 だった。
タイトルは「ファドを歌う人」というくらいの意味だろうか。
日本では、あまり馴染みが少ないのだが、
フランスに「シャンソン」があるように、ポルトガルには「ファド」という歌がある。
『過去を持つ愛情』(原題 Les Amants du Tage)というフランス映画の中で「暗い艀(はしけ)」を歌ったアマリアロドリゲスは、ファドの女王としても、世界的に有名である。
その土地の感覚に根付いた歌は、独特の表現を持っている。
日本の「演歌」に通じるものがあるという人もいる。
「魂」を「声」に載せて絞り出すような羽根田さんの「歌」は、
あっという間に、私の心を掴んでしまった。
失礼を省みずの「マイミク申請」にも、気さくに応じて戴き、
この夜のライヴへと繋がることになった。


羽根田さんの「歌」は勿論だったが、
共演の TRIO THE TRIP 佐野聡(Tb/Harp) 渡瀬英彦(Fl) 宮澤等(Vc)、
ゲストの 加藤実(Pf) 石井ユキ(Ob) 梅原光洋(Tenor) の面々は、
クラシックな要素を生かしながらも、枠に嵌らぬ自由な発想と演奏で実に楽しかった。
新国立劇場合唱団契約メンバーという梅原光洋氏の本格的なテノールも、
クラシック臭を感じさせない、気持ちの良い堂々とした「歌」。
また、奇才・佐野聡氏のパンデイロや、両手を組み合わせて吹く「手笛」の実演は、
エンターテインメントとしても、深く、味のある MC の時間だった。
お顔と、お話だけでも、何かが違う。この人も、只者ではないな、きっと。
帰りに、ご利益があるように、握手をして戴いた。何かいいことがあるかな(笑)。

久しぶりに「ノーブル」という「言葉」が、頭に浮かんだ。
多分、この日のライブが「気品」のようなものに包まれていたのだ。
それは「上品」とか「行儀がいい」こととは、ちょっと違っているように思う。
ある種の常軌を逸したものを、たじろがずに受け入れることも含まれている。
たまたま羽根田さんのプロフィールを覗いていたら、
大学では「哲学」を専攻されていたようである。
「哲学」は、まず、当たり前と思われていることを「疑う」ことから始まる。
単なる「人気」や「名声」などには動かされずに、
自分自身の「知性」と「感性」で選び取ったものに囲まれて暮らすこと。

そう言えば、馴染みで通わせて戴いている銀座のお店の名前は「貴族」。
まさに「貴族の精神」を持ち合わせた、数少ないお店だ。
連日の夜遊びで、少々疲れが出て、
このところ少しご無沙汰しているが、また一杯飲りたくなってしまった。

■愛川聡
http://
■廣瀬みちる
http://
■羽根田ユキコさんのプロフィール。
http://
http://
http://
■「銀座せきてい」の歴史
http://
■佐野聡
http://
■ファド アマリアロドリゲス
Amália rodrigues,Live in Romania,Bucarest,"Coimbra",1969.
http://
Barco Negro by Amalia Rodrigues「暗いはしけ」
http://
■参考までに、日本でのファド関連の歌など。
月田秀子「アルファマ」
Alfama / Hideco Tsuquida / Fado
http://
月田秀子「私の中のファド」
Trago fados nos Sentidos / Hideco Tsuquida / Fado
http://
暗いはしけ 岸洋子
http://
ちあきなおみ 始発・・・まで(暗いはしけ)
http://
Home > 2009年07月
- Tag Cloud
-
- Search
- Links
- Feeds