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2009年06月 Archive

文化庁長官表彰(上野榮子訳『源氏物語』)


このところの「日記」は「音楽」のことばかり書いていた。
嬉しいことで、まだ書いていないことがあったので、
記録のために書き留めておこうと思う。


          ワイングラス


以前作らせて戴いた上野榮子訳『源氏物語』(日経版)が、
2009.3.6 付けで、文化庁の長官表彰を受けた。

               
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源氏物語を自力で口語訳、文化庁長官表彰受ける
家事・介護の傍ら原稿用紙4000枚

上野栄子氏

主婦業の傍ら、源氏物語を十八年かけて現代口語に訳し、このほど文化庁長官表彰(源氏物語干年紀記念表彰)を受けた。
「思いがけないことで、感慨無量です」と喜びをかみしめている。
旧制高等女学校時代、京都帝大の学生だったいとこに「大きくなったら源氏物語を読んでごらん。世界でも指折りの創作だよ」と薦められたのが出合いだった。結婚、出産、子育てと慌ただしい日々の中でも現代語訳やラジオ講座などで源氏物語に親しみ、「いつの日か自分の手で口語訳をしてみたいと思うようになった」と振り返る。
実際に取り組んだのは、子育てが終わった五十歳過ぎ。家事を片づけてから毎日少しずつ、文語体を口語に直訳し、紫式部の世界に近づこうと試みた。母親が病に倒れると東京から熊本に帰郷し、介護をしながら訳した。専門家に師事することなく、訳はすべて自力。
一九九五年に全五十四帖の訳を終えると、万年筆で清書した原積用紙は四千枚を超えた。八十歳を機に自費出版し、その後、日本経済新聞出版社からも出版された。
紫式部ゆかりの滋賀・石山寺を昨年訪問し、今も「源氏物語を読み返しては、その世界を味わっている」と話す。「桐壼」などに描かれた嫉妬(しっと)をはじめ、変わらぬ人間の感情を身近に感じるとともに「それを客観視し、物語に昇華」した紫式部の力量に感嘆する。「清少納言もいた平安時代は、女性が珠玉の作品を生み出した最高の時代かもしれません」
=うえの・えいこ、83歳。 (日経新聞 2009.3.17 夕刊)


しかも、フランス語版(ディアンヌ ドウ セリエ 出版)が同時に受章したことも嬉しかった。


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写真左は、フランスの画家 Matthieu Kuhn。右が、通訳にあたるアカネさん。


これは全くの偶然なのだが、やはり私の若い友人であるアカネさんがこれに関わっていたからだ。彼女はエコール・ド・ルーヴルで博物館学の学位を取り、今は日本で暮らしているが、今年の初めに展覧会の会場で通訳をしていた彼女に、久しぶりにお会いしたばかりだった。

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フランス語版は、言葉だけでなく、図版も入れたもので大変に豪華なものだった。
大判のものは、とても高価なので、縮小版も作られているようである。


■日記周辺の「言葉の断片」(和泉)

はじめは、
そんなに大変な仕事だとは、
思いませんでした。

でも、
やり始めてみたら(笑)。

分かっていたら、
出来なかったと思います。

たくさんの仲間に助けられて、
やっと完成したという感じでした。

運が良かったとしか、
思えません。

お婆ちゃま、
しゃきっとして、本当に素敵な方です。
それなのに、どこかお茶目でもある(笑)。

お爺ちゃまも、矍鑠としていて、
人間理解が深く、これまた最高。

年輪を重ねて、素敵でいられるよう、
まだまだ頑張らなくてはと思っております。

人間にはきっと、
その時にしか出来ないことが、
あるような気がしています。

「今」の自分に、
出来ることって何だろう。

この頃、また、
考え始めております。

英訳も、面白いですね。

サイデンステッカーさんの、
「歌」の訳などを読んで、
なるほどと発見することも、
多かったです。

年齢ではなく、
個性だとは思いますが、
凛とした人たちは、
素敵ですね。

私めは、
お婆ちゃまの作った「山」に登って、
「旗」を振っただけの
「ちゃっかり者」です。

相変わらず、
ひとのふんどし(失礼)で、
相撲をとる「編集」なども、
やっております。

「偏執」にならぬよう、
気を付けねば(笑)。

全八巻、化粧箱入り。

坐っている時間が長かったので、
私自身も、ずっしりして来て、
かなりの重量になりました(笑)。




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