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2009年01月 Archive

再び『源氏物語』(古澤侑峯、橋田壽賀子)

風邪が長引き、だるさが抜けず、
ものを考えるのも、日記をアップするのも辛かった。
いつまでも、こんな状態では、何も出来ずに時間が過ぎてしまう。
何とか少し良くなって来たので、昨年の12月のことは、
たとえ簡単にでも、なるべく今月中に載せておこうと思う。


          ワイングラス


何度か日記に書いている『源氏物語』日経版の売れ行きが良いようで、
再々版を1月20日に納め、少しほっとしている。


          ワイングラス


12月7日には、青山の銕仙会能楽研究所で、以前から親しくさせて戴いている、
(マイミクでもある)地歌舞の舞い手、古澤侑峯さんの「源氏舞」最終舞台を拝見した。
「源氏物語」五十四帖を自らの創作により舞う試みは、回を重ねるごとにその奥深さを増し、
これで終了してしまうのが、本当に惜しいと思わせる見事な舞台であった。

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侑峯さんは、地歌舞(じうたまい)・古澤流家元の長女として3才より伝統的な舞を継承し、昨年10月に、二代目家元となられた。「御殿舞(ごてんまい)」も修めている。また古典を踏まえた上でのジャンルを超えた実験的な舞台活動を他ジャンルのアーティストたちと共に重ね、国内外の招聘公演も多数行っている。古典と現代の心をつなぐ独自の舞の世界を築き上げているパワフルな舞踊家である。伊勢神宮、清水寺、天龍寺など奉納公演も多い。グリーンリボン新人賞、大阪芸術祭賞、京都芸術賞を受賞している実力者で、国内では年間3~5回ほど公演し、海外では、パリやベルサイユ、上海、ポーランド、イギリスなどでも開催している。

この「源氏舞」は、2001年より手がけ、昨年完成をみたものである。

ご自分で UFO と書くほど、宇宙的に発想が自由で、性格もさっぱりとしているが、
現代では大変に稀になってしまった、女性としての、大人の色香を纏った方でもある。
何年も前からの一緒にお寿司を食べに行く約束を、今年こそ果たしたいと思う。


          ワイングラス


昨年の12月30日と31日には、TVで、『源氏物語』を見た。
これは、1991年の暮れと、翌92年の1月3日に計8時間に渡って放送された、石井ふく子プロデューサーのTBS創立40周年記念番組 橋田壽賀子スペシャル『源氏物語』が17年を経て、再放送されたものだった。総制作費がなんと12億円。坂東玉三郎の衣裳考証。主人公の光源氏には、前編が東山紀之、後編は片岡孝夫(現在の片岡仁左衛門)、藤壺に大原麗子などの豪華キャストだが、三田佳子が紫式部本人となって出て来るのが、面白かった。


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          ワイングラス


橋田さんの源氏は、少々下世話だが、とても分かりやすい。
侑峯さんの源氏舞は、もう少し幽玄で、奥が深い。
どちらも、それぞれに、大変価値のある仕事だと思う。

たまたま『源氏物語』を制作させて戴いた年の暮れの、
二つの『源氏物語』、やはり、これも「縁」だったのだろう。


■日記周辺の「言葉の断片」(和泉)

嵩張るのは、
おじいちゃま、おばあちゃまが、
読み易いように文字を大きくしたから。

私も眼が霞んで来ているので、
制作作業としては、
かえって有難かったです。

フジTVでのアニメの Genji は、
エロスを前面に出してるようです。

世界最古の長編恋愛小説。
本当の内容は、ちっとも、
難しくはないのですよね。

時代は変わっても、
あんまり人は変わらないなぁ。

素敵な女人がいると、
すぐに心を動かされてしまう、
男という誠にアホな生き物。

後は、品性と美意識ですね。

地歌舞。
動きは大きくないのですが、
なんとも優雅です。





IWGP & SAKURA DROPS

  • Posted by: 和泉 昇
  • 2009-01-16 Fri 16:57:00
  • 未分類

5年ほど前の夜中に書いたもの。書くのはいつも夜中だ。


          ワイングラス


 何を書くという目的のない状態で、キー・ボードに向かっている。もしも、人生が壮大なる暇潰しの集積なら、これもその一齣か? 昔向かっていたのは、キー・ボードではなく原稿用紙の枡目だった。その前は、カレンダーの裏の白紙とか、とにかく大きな紙だった。ヘンリー・ミラーのちょっとした図入りの構想メモなどは、それを見ているだけでこちらをぞくぞくさせたが、自分のは、みみずが這っているだけだった。白い紙から、原稿用紙に移った時には、書けなくて困った。用紙の枡目が、牢獄のように思えて、何でもいいから、そこから解放されたいと思った。枡目からはみ出してもいいのだ、と気が付いてからは、ぐっと楽になった。キー・ボードは、それほど苦痛ではない。正確に言うならキー・ボードと、パソコンの画面。それでもやはり、文字が一齣ずつ埋まっていくという窮屈さがある。とにかく、今は、規制は嫌だ。
 本当は、もっと自由に、絵のようなものを書きたいのかな、とも思うが、これは、全く訓練をして来なかったので、一本引いた自分の線を見ただけで嫌になってしまう。訓練ということは凄い、そして、怖いものだと思う。でも、見るということで、少しだけそのことが分かっただけでも、有り難いような気もしている。
 さて、何を書こう。


写真

■池袋ウェスト・ゲート・パーク
http://www.youtube.com/watch?v=ht9ZrmL-gQo
http://www.youtube.com/watch?v=G30T42Dsd7I


 夜中のテレビの再放送のドラマ「池袋ウェスト・ゲート・パーク」に出演していた窪塚洋介の静けさと凶暴さの共存する不思議なキャラクター。「ファースト・ラブ」に流れる宇多田ヒカルの「SAKURAドロップス」と、物語の内容との見事な相乗効果について。奇妙に感覚に引っ掛かってくるものがあるのだが、深く考えるのが辛い。やはり慢性の睡眠不足かな。


写真

■Sakura Drops Live
http://www.youtube.com/watch?v=mlwCZm2MQbQ
■ファースト・ラブ
http://www.tbs.co.jp/firstlove/index-f.html


 今の自分の生活に、どうしてもなくては困るものが、ひとつある。それは、後楽園の近くにあるサウナ「シビックランド日成」。看板にまだ、「ゆ」という一文字が残っているのも面白い。しかしそういった感覚の次元より、このサウナの存在が自分の生活に占めるレベルは、ぐっと深い。健康ランドのような娯楽のためではなく、医者にかからずに済んでいるのは(肉体も精神も)、このサウナがあるから、という、大変に重要なものなのだ。はじめから、このことについて書けばよかったかな。一応簡単に紹介すると、一般の公衆浴場(銭湯)の奥に、階段式の立派なのが隠れている。もちろん遠赤外線式。水風呂も一年中18℃ の地下水で、飲料水にもなる。他に、六種類のジャグジーの泡風呂も。何も持たずにふらっと出掛けて、1000円(現在は1100円)。
 徹夜明けでも、宿酔でも、よれよれでも、鬱でも、とにかくこのサウナまで辿り付き、呼吸困難に陥る直前ギリギリまで我慢して入り、水風呂に飛び込む。充分に冷えたら、直に床に、水平に横たわる。すうーっと気が遠くなる、文字通り気を失うのだ。
 世界が、消え、そしてもう一度、生まれ変わる。

かけがえのないもの② 和泉昇 2003.8.1『新銀曜日』収載


          ワイングラス


このところ長引いている風邪は、
このサウナに御無沙汰しているからかも知れない。

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