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『源氏物語』の紹介記事


制作に当たらせて戴き、
何度か日記にも書いて来た『源氏物語』の私家版が、
あらためて日本経済新聞出版社から発行された。
訳者の上野榮子さんと、この本の紹介が、
読売、朝日の新聞紙上で紹介されたので載せておく。


■2008.11.9 読売新聞


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(撮影・杉本昌大)


独学で源氏物語を完訳した主婦 上野榮子(うえのえいこ)さん 83

一帖「桐壺」を訳し始めたのは子育ても終えた50歳を過ぎてからだった。
何冊もの辞書を傍らに、急がずこつこつと。言葉の感じがつかめない時は、声にしてみた。五十四帖「夢浮橋(ゆめのうきはし)」を閉じたのは18年後の1995年。原稿用紙4200枚の大作。自費出版し、今西祐一郎・九州大教授(日本古典文学)を「邪心のないさわやかな訳」とうならせるなど、関係者の評価を得ていたが、このほど日本経済新聞社から刊行された。
「『源氏』は愛と慈しみの物語」と語る。出会いは高等女学校高等科時代。女のねたみやそねみを物語に昇華した紫式部のすごさに感激し、「自分の訳で紫式部の世界に近づきたい」との思いを温め続けてきたという。
手がけて2年後、熊本に住む母が病に倒れた。東京に夫を残し、看護の合間に「源氏」に向かった。それは、「1人で静かに喜びを味わう時間でした」。
完訳を果たした同じ年、母は逝った。長い留守を夫は黙って見守り、原稿用紙を送り続けてくれた。(文化部 金巻有美)


■2008.11.15 朝日新聞 ひと欄から

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「源氏物語」を18年かけて現代語訳した上野栄子(うえのえいこ)さん(83)


大正の生まれだが、光源氏に見そめられた少女若紫のように愛くるしい。「源氏物語」を18年かけて全訳し、1月に完結した私家版全8巻が達意の訳文で評判となり、日本経済新聞出版社から今月刊行された。
戦時中、熊本の高等女学校で、はかま姿の教師が朗々と読む「源氏」に魅せられる。「紫式部さんの美しい文章をいつか口語訳したい」。終戦の年に結婚し、家事と育児に追われながら原文を読み続けた 。
訳し始めたのは52歳のとき。原文を朗誦(ろうしょう)しては本に訳を書きこみ、わら半紙で推敲(すいこう)を重ねた。先生はおらず、辞書が頼りだった。2年後、熊本に住む母が脳梗塞(こうそく)で倒れる。理解のある夫の佑爾(ゆうじ)さん(91)を東京の自宅に残し、ほとんど熊本で暮らす日々が16年。病床のかたわらで訳した。「最後の『夢浮橋』を終えた日に、母は静かに逝きました」
訳文は原稿用紙で約4200枚。私家版は数学者の長男健爾(けんじ)さんが校正を担当するなど、2人の息子にも助けられた。「作家の先生方の口語訳と違って自分の思いはこめず、紫さんの文章を素直に訳しました」。訳文には純朴な人柄がにじみでている。国文学者の今西祐一郎・九州大教授は「源氏」にあこがれた「更科日記」の作者になぞらえて、「21世紀の菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)」とよぶ。
「源氏」には、失われた日本人の愛の心があるという。さらに見極めてみたい。「今が一生でいちばん勉強のできる時ですから」(文・白石明彦 写真・川村直子)


          ワイングラス


3年近くの制作時の苦労が報われた気分もだが、
何よりも、お婆ちゃまの笑顔が嬉しい。


          
■日記周辺の「言葉の断片」(和泉)

おばあちゃま、
おめかしして、素敵です。

将来、数学者になる息子さんを
教育したくらいですから、
もちろん厳しいところはありますが、
とても可愛らしい方でもあります。

おばあちゃまの笑顔をみていると、
こちらも幸せになります。

美しく歳を重ねるって、
こういうことなのですね。

おじいちゃまもまた、
とてもいいお顔をなさっております。

一生勉強という方です。
本当に頭が下がります。

でも、さすがに源氏を訳された方、
固いばかりではありません。

「カラマーゾフの兄弟」は、
若いうちに読まなければ無理と思い、
学生時代に読みました。
源氏は今回の仕事で、やっと。

私も人間は「邪」であると、
ずっと思って生きて来ました。
私自身のことも。

でもこの頃、
この世には「正」も「邪」も、
ないのではと思うようになりました。

あ、これって、
「反省」することさえもなく、
もっと「悪く」なったって事かな(笑)。

冗談はさて置き、
おばあちゃまの訳は本当に爽やかです。

それは、おそらく、
「知性」の成せる「わざ」ですね。

「失われた日本人の愛の心」
本当に、大切なものだったのに。
と、この頃よく思います。

彼女の一番の美徳は「謙虚」だと思います。
ものすごく勉強もなさっているのに、
「私は頭が悪いから人の何倍も努力して、
 やっと一人前になれるんですよ」
などと、おっしゃる。
それが厭味でなく自然に。

本当に、人それぞれなのですが、
学ぶところがたくさんある方です。

一生にひとつ、
誰にでも出来るものがあります。

それは、自分の「人生」。
これは他の誰にも出来ないものです。



『源氏物語』日経版完成


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何度か「日記」にも書いた日経版『源氏物語』が、10月30日に発行。
やっと11月5日に発売になる。



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九州大学の今西祐一郎教授が推薦文を書いて下さり、
宣伝用のチラシも配布されているようだ。

『源氏物語』が世に出てまだ間もない頃、その魅力に取り憑かれ昼夜を措かず読みふけった少女がいた。後に『更級日記』を書くことになる菅原孝標女である。本書の訳者上野榮子さんも「学生の頃から『源氏物語』が大好き」で、十八年をかけて自分の言葉でこの傑作を辿りなおす。それが全八巻の口語訳となって実を結んだ。
この「上野訳」全八巻は、さきに瀟洒な私家版として限られた知友に配られ、縁あって本書を手にした私は、その訳文の細心・達意にしてしかも闊達な姿に感銘を受けた。しかし、残念なことに本書は私家版ゆえに書店にも並ばず、インターネットの検索網にも罹らない。それがこのたび日本経済新聞出版社からあらためて刊行されるという。
「二十一世紀の孝標女」による『源氏物語』千年の果実を、より多くの人に味わっていただきたい。

http://www.nikkeibook.com/genji/

販売用のチラシ制作などには、いっさい関っていないのだが、
「小さなニュースが、大きな話題に!」というキャッチコピーが気に入った。
ひとりひとりが毎日を大切に生きていれば、それが一番素敵なことなのだから。

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先日打ち合わせで出版社へ立ち寄ったら、出来上がったばかりのセットが、
受付の入り口に飾ってあり、何だか嬉しかった。


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また訳者・上野榮子さんの息子さんで、私に制作を依頼して下さった
数学者の上野健爾先生が、ネット上のTVで紹介をして下さっていた。
ちょっと長いですが、お時間のある方は覗いてみて下さい。
http://www.netrush.jp/netrusharchive/netrush_44/netrush_44.html


実は、今年フランス語訳『源氏物語』も発行され、知人がその仕事に関っていた。
フランス版は「絵入り」で、セットが8万円もするらしい。
http://blog.goo.ne.jp/goo0625ts/e/73e5bd7a3d838d5dfc4ad2de9008eee8

日仏の『源氏物語』の本を並べて、双方の国から抽象の画家を一人ずつ選び、
『源氏物語』をテーマに新しい「絵」を書いてもらい、東京とパリで展覧会をしたいなぁ、
などという「夢」もあったのだが、今年中には、とても時間が足りなくなってしまった。


■日記周辺の「言葉の断片」(和泉)

私もこの仕事をするまでは、いつも「須磨帰り」でした。
長いものは時間がかかり、読むのが大変ですものね。

学生の頃、何となく、
歳をとったら絶対に読めないかも知れないと思って読んだ本に、
ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』があります。
今では、ほとんど無理だろうなぁ。

長編の一気読みは、とても無理。
これを作りながら読むのに、
2年以上かかりました(笑)。

世の中には、自分のやることもせずに、
暇を持て余して、人の悪口や文句ばかり
言っている奴が多すぎる。

そんなこと言っている暇があったら、
自分が楽しくなることを探せば、
と、いつも思います。

「記憶の整理箱」のはずが、
日々、新しい記憶が増えていってしまい、
書くのが、とても間に合いません。

どこかで、追いつけるのでしょうか(笑)。


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